業務改善2026/06/13

副業を始めたら、
まず口座を分けよう

「家計用」と「事業用」を分けるだけで、お金の管理は、ぐっと楽になります。

マスコットの子猫すずちゃんが、「家計用」と「事業用」と書かれた2冊の通帳を左右に分けて持っている水彩イラスト

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副業や個人事業を始めると、少しずつ「事業のお金」が動き始めます。 売上が振り込まれたり、仕事の道具を買ったり。最初は金額も小さいので、 つい普段使っている口座に、そのまま混ぜてしまいがちです。

ですが、ここで一つだけ、早めにやっておくと後がとても楽になることがあります。 それが、「家計用」と「事業用」の口座を分けることです。これは法律上の義務ではありませんが、日々の記帳や確定申告を整理しやすくする、心強い方法です。

実際、確定申告の時期になって「最初から分けておけばよかった」と 感じる方は少なくありません。この記事では、なぜ分けたほうがよいのか、 そして、これから分ける際の手順まで、分かりやすくご紹介します。

1「分けていない」と、なぜ後で困るのか

家計用と事業用が一つの口座に混ざっていると、 一つひとつの入出金が「生活費なのか、仕事のお金なのか」が 見分けにくくなります。

たとえば確定申告の際には、事業の経費を一つずつ拾い出す必要があります。 このとき口座が混ざっていると、半年前・一年前の明細をさかのぼって、 「これは仕事の買い物だったか」を思い出す作業に追われます。 数が増えるほど、これは大きな負担になります。

実際によく聞く「後悔の声」

「確定申告のときに、最初から口座を分けておけばよかったと後で気づいた」 「副業が軌道に乗ってきた頃に、家計用と混ざったままだったことに気づいた」—— こうした声は、とても多く見られます。知っているのと、実際にやっているのとでは別物、というのが、多くの方の実感のようです。

2口座を分けるメリットと、正直なデメリット

口座を分けると、主に次の3つのメリットがあります。 どれも「日々の管理が、シンプルになる」ことにつながります。

① お金の流れが「見える」

事業の入金・出金だけが一つの口座にまとまるので、 「今月いくら稼いで、いくら使ったか」が一目で分かります。 事業が順調かどうかを、感覚ではなく数字で確かめられます。

② 確定申告・帳簿づけが楽になる

事業用の明細が、そのまま帳簿の材料になります。 生活費と混ざらないため、「どれが経費か」を後から 仕分ける手間が大きく減ります。

③ 経費の確認がしやすくなる

事業用の口座に仕事の入出金を集めると、経費の候補を見つけやすくなります。 ただし、経費にできるかどうかは、支払った口座ではなく 「事業のために必要な支出か」で判断します。

数字で見ると、こんなに違います

<混ぜていると>

家計 + 事業(混在)

入金
65万円
出金
50万円
差引
+15万円

→ 全体の差引は分かるけれど、「事業だけ」がもうかっているかは見えません。

分けると…

家計

収入
25万円
支出
20万円
収支
+5万円

事業

売上
40万円
費用
30万円
利益
10万円

→ 家計の収支も、事業の利益も、それぞれ一目で分かります

※ 金額は、分かりやすくするための一例です。

つまり、口座を分けることは「節約」ではなく、自分の事業を、自分で把握できるようにするための土台づくりです。早く始めるほど、その効果は積み重なっていきます。

正直なところ、デメリットも3つあります

良いことばかりではありません。先に知っておくと、慌てずに準備できます。

① 開設に、手間と時間がかかる

屋号付きの口座は、開業届や受信通知などの書類を求められることがあり、 審査にも日数がかかります。私が申し込んだ事業用の口座も、書類を郵送して、 今は審査の結果を待っているところです。思い立ったその日にすぐ使える、 というわけではない点は、知っておきましょう。

② 管理する「場所」が増える

口座やカードが分かれる分、ログインや残高確認をする場所が増えます。 ここで一つ工夫を。すでに使っている銀行・カードの系列で、事業用を作ると、アプリや管理画面が散らばりにくくなります。私自身、 「持ち物(管理する場所)を増やしたくなかった」ので、普段から 使っている楽天で、事業用の口座を申し込みました。

③ 個人口座と、使い勝手や条件が違うことがある

屋号付き口座に対応している銀行は限られています。また、手数料の優遇や 一部のサービスが、個人口座とは条件が異なる場合があります。屋号を 変えたいときには、別途手続きが必要になることもあります。

迷ったときの考え方:デメリットの多くは「最初の手間」と「増えるもの」です。だからこそ、すでに使い慣れた系列で、まず1つだけ作るのがおすすめです。手間も、増えるものも、最小限で始められます。

3「屋号付き口座」という選択肢

事業用の口座には、個人名の口座のほかに、屋号付きの口座(例:「○○デザイン 山田花子」のように、事業の名前を含んだ口座) という選択肢もあります。

屋号付き口座は、お客様への請求や振込の際に、事業の名前で やり取りができます。受け取る側から見ても「きちんと事業として 活動している」という印象につながり、信頼感を持っていただきやすくなります。

私自身の準備

私も今、屋号「Suzu Digital Lab」で事業用の口座を準備しているところです。 申し込みの際には、銀行から「開業届」と、e-Taxの「受信通知」の提出を求められました。屋号付き口座を作るには、 先に開業届を出しておくとスムーズです。

開業届の出し方については、前回の記事で詳しくご紹介しています。
→ 同じ年収でも、税金は変えられる。副業×開業届の節税のコツ

4どんな口座を選べばいい?

事業用の口座には、ネット銀行を選ぶ方が多くいらっしゃいます。 理由は、次のような使いやすさにあります。

  • 振込手数料が抑えやすい(取引が増えても、コストを小さくできます)
  • アプリで明細を確認しやすい(いつでも、その場でお金の流れを見られます)
  • 会計ソフトと連携しやすい(明細が自動で取り込まれ、記帳が楽になります)

選ぶときの3つの軸

① 振込・引き出しの手数料/② お使いの会計ソフトと連携できるか/ ③ 屋号付き口座に対応しているか。 この3点で見比べると、選びやすくなります。 個人事業主向け口座の例としては、楽天銀行の「個人ビジネス口座」や、 GMOあおぞらネット銀行の「個人事業主口座」などがあります。 住信SBIネット銀行の通常の個人口座は屋号名義に対応していないため、 屋号が必要かどうかも含めて比べると安心です。

※ 各銀行の手数料・屋号口座の対応条件・必要書類は変わることがあります。 申し込みの前に、必ず各銀行の公式サイトで最新の情報をご確認ください。 どの銀行が「お得か」という判断は、お一人おひとりの使い方によって変わります。

5分け方の手順(4ステップ)

実際に分けるときは、次の順番で進めると分かりやすいです。 一度にすべてやろうとせず、できるところから一つずつで大丈夫です。

1事業用の口座を1つ作る

まずは、事業専用の口座を一つ用意します。屋号付きにする場合は、 申し込む銀行の必要書類を先に確認します(開業届など、事業内容と屋号を 確認できる書類を求められることがあります)。最初は一つあれば十分です。

2私用のお金と、事業のお金を分ける

事業の元手(最初の運転資金)を、家計用の口座から事業用の口座へ移します。 個人事業の帳簿に事業用口座を載せる場合、この「自分のお金を事業に入れた」分は、 一般に「事業主借」として記録します。 所得区分や記帳の方法によって扱いは異なるので、難しく感じたら、 会計ソフトの案内に沿って進めるか、税務署・税理士に確認すると安心です。

3会計ソフトと連携する

事業用の口座を会計ソフト(マネーフォワード クラウドなど)と つないでおくと、明細が自動で取り込まれます。 手入力が減り、確定申告の準備がぐっと楽になります。

4できれば、クレジットカードも分ける

事業の支払い用のカードを別に用意すると、仕事に関する支払いを 一か所に集めやすくなります。ただし、経費にできるかどうかは、 それぞれの支出内容で判断します。口座とカードの両方を分けておくと、 お金の流れがいっそう見やすくなります。

ヒント:仕事と暮らしで「混ざる」支出は、家計用口座から払うとすっきり

通信費・電気代・車の費用など、仕事と暮らしの両方で使う支出(家事按分するもの)は、どちらの口座から払っても構いません。ただ、家計用の口座から払うようにすると、事業用口座には「事業だけのお金」が残って、すっきりします。 その場合は、支払額と事業で使った割合を記録しておき、使用時間や走行距離などの 合理的な基準で、事業に使った分だけを経費に計上します (帳簿では「事業主借」として記録する方法があります)。

※ 「事業主借」などの帳簿の付け方や、家計と事業で共通して使う支出 (車・通信費など)の按分の基準は、状況によって扱いが変わります。 迷ったときは、会計ソフトのサポート窓口や、税務署・税理士に 相談すると安心です。

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6まとめ:迷ったら、まず1つ作るところから

  • 家計用と事業用が混ざると、確定申告で大きな手間になりやすい
  • 分けると、お金の流れが見え・帳簿が楽になり・経費を整理しやすい
  • 屋号付き口座は、信頼感につながる(必要書類は銀行ごとに異なる)
  • ネット銀行は、手数料・連携・屋号対応で選びやすい

口座を分けるのは、難しい作業ではありません。まずは事業用の口座を 一つ作るところから始めれば十分です。早めに分けておくほど、 後の確定申告がぐっと楽になります。

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※ この記事は2026年6月時点の情報です。銀行のサービス内容・必要書類・ 税の取り扱いは変わることがあります。最新の情報は各銀行や国税庁の 公式サイトでご確認いただき、税金の判断で迷ったときは、税務署や 税理士にご相談いただくと安心です。

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